【自作戦記】『東部戦線』第1部『ポーランド電撃戦』~戦友との再会~

ブレストの街で、ドイツ軍とソヴィエト軍の将兵達が、戦勝パーティーで盛大に盛り上がっていた、その頃・・・
レーダーは野戦病院のベッドに横たわりながら、今日も一日の終わりを感じていた。
傷ももうすっかり癒えて、一人で歩けるようにもなった。
・・・とは言っても、散歩は病院の庭先までだが。
今日も気晴らしに、これから夕暮れの庭先に出ようか、と考えていたところで、ベルンハルデがにこやかに病室に入って来た。

ベルンハルデ:「レーダー伍長、お客さんですよ。」

ベルンハルデがそうにこやかに告げると、その後ろから男たちが騒ぎながら病室に入って来た。

トラウペル:「レーダー伍長~、お久しぶり~っす!」

レーダー:「オルブリッヒ!トラウペル!」

マウラー:「よう、レーダー!大人しくしてたか?」

レーダー:「マウラー軍曹!よく来てくれましたね!」

戦友達の突然のお見舞いに、レーダーは心から喜んだ。

オルブリッヒ:「傷は、もういいのか?」

レーダー:「もうピンピンさぁ!ほれ。」

そう言うとレーダーは、ベッドの上で体操をして見せた。

オルブリッヒ:「レーダー、今日は何の日か、わかるか?」

レーダー:「あぁ、さっきラジオで耳にしたよ。ブレストの街で、戦勝記念の観閲式が行われたんだろ?」

トラウペル:「まぁ、それもありますけどね。」

レーダー:「?」

ブッセ:「ジャジャ~ン!今日は9月22日、レーダー伍長のお誕生日ですよ。21歳の誕生日、おめでとうございます!さぁ、ケーキをお切りください。」

そう言うと、ブッセは持ってきた菓子折りを開いた。

レーダー:「おぉ、忘れてた!ありがとう!それにしてもマウラー軍曹、皆、よく無事でしたね。」

マウラー:「あれから我が軍の装甲車が救援に駆けつけて来てくれてな。機関銃で騎兵どもを追っ払ってくれたんだよ。」

レーダー:「そうだったんだ・・・」

マウラー、オルブリッヒ、トラウペル、ブッセ、ブラント・・・あの時の面々が、一同に顔を揃えている。
戦死したフーバーを除き・・・ん?
あと1人足りない?

レーダー:「あれ?グリューマーは?」

レーダーが聞くと、マウラーは眼を瞑り首を横に振った。

マウラー:「やられたよ。タコつぼ(歩哨用の掩体壕)からグリューマーの遺体が見つかった。あの時ポーランド騎兵にやられたんだ・・・」

レーダー:「そうだったのか・・・」

マウラー:「ついウトウトとして、眠気には勝てなかったんだろう・・・そこを敵兵にやられたんだ。」

レーダーはグリューマーの事を思うと、いたたまれなくなった。
まだ軍隊に入ったばかりだった、二等兵のグリューマー。
休憩に入ると、ブラントと二人でコーヒーを用意してくれた、優しかったグリューマー・・・
きっとポーランドと戦争になる事も、人一倍イヤだったに違いない・・・
そんなグリューマーが真っ先にやられてしまった事が、とても気の毒でならなかった・・・
彼だけは生かして帰してあげたかったのに・・・
しばらく沈黙が続くと、再びベルンハルデが入って来た。

ベルンハルデ:「あの・・・士官の方がお見えになってますが・・・」

すると、とっさにマウラーが号令をかけた。

マウラー:「気を付け!」

砲兵中隊長:「いやいや、楽にしといて構わんよ。」

そう言いながら、レーダーの中隊の中隊長が病室に入って来た。

マウラー:「休め!」

砲兵中隊長:「レーダー伍長、調子はどうかな?」

レーダー:「お陰様で、もうすっかり良くなりました。」

砲兵中隊長:「そうか・・・それはよかった。実は今日は、君に話があって来たのだよ。」

レーダー:「・・・と、言いますと?」

砲兵中隊長:「主治医から、退院の日取りも聞いたよ。退院早々申し訳ないが、君を他の部隊に転出する事に決めたよ。」

レーダー:「転出ですか・・・」

砲兵中隊長:「まだ実験段階なんだがね。今度新しく開発された新兵器の部隊で、『突撃砲』・・・という兵器だよ。」

レーダー:「突撃砲・・・ですか?まさか、あの重い火砲を押して突撃したりとかするんじゃないでしょうね?なんだか、めちゃくちゃしんどそうだなぁ・・・」

砲兵中隊長:「ハハハッ、違う違う。突撃砲とは新種の自走砲だよ。この度我が軍が推し進めて来た新しい戦術、電撃戦。要所要所を急降下爆撃機で叩き、弱体化した所を戦車で突破して、敵陣の奥深くまで侵攻する作戦だが、戦車部隊が独立した行動を取るようになってしまった為に、今度は歩兵部隊の支援火力が無くなってしまった。その歩兵部隊の火力支援を専門に新しく開発されたのが、我ら砲兵科の突撃砲、というわけだ。」

レーダー:「何だかよくわかりませんが・・・転出の件、了解しました。」

砲兵中隊長:「そうか。君には退院後、ユーターボクにある突撃砲学校に入校してもらう。とにかく君は、この新兵器のパイオニアとなるわけだ。頑張ってくれたまえ。」

レーダー:「はい!」

マウラー:「気を付け!」

マウラーが号令をかけると、中隊長は病室から出て行った。

マウラー:「休め!」

レーダー:「やれやれ・・・上手い事厄介払いされましたね・・・」

中隊長が去った所を見定めると、何やらぼやき始めた。

マウラー:「何を言う、栄転じゃないか。」

ブッセ:「そうですよ!新兵器を任されるなんて、凄いですよ!」

レーダー:「そうかなぁ・・・」

そうは言われるものの、まだ何か釈然としないレーダーであった。
しかし、この新兵器『突撃砲』との出会いこそが、後にレーダーの運命を大きく変える事となる。
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テーマ : 自作歴史連載小説
ジャンル : 小説・文学

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負傷してしまったレーダーも、
傷も癒えたようで良かったですね~。
それから思わぬ戦友たちのお見舞いも嬉しいですね(´∀`)
1人戦死してしまったのは悲しいですが、
これも戦争ですしね(><)
それにしても、突撃砲との出会いが待っていたのはびっくりですね~。

>>ツバサ様

こんばんは^^
いやぁ、レーダー伍長、久しぶりの登場となりました^^
傷も癒えた様で、残すところあとは、リハビリのみとなりました^^
戦友たちも、戦死したフーバー一等兵とグリューマー二等兵の二人以外は無事だった様で、良かったです^^;
戦死してしまった二人は残念でしたが、これも戦争ですしねぇ・・・><
『突撃砲』と出逢った事で、レーダー伍長もこれからは更なる活躍をして行きそうです^^

久し振りのコメントになりますが、
レーダー伍長も久し振りの登場になるんですね。
レーダー伍長、戦友と再会できてよかったですね。

ブッセの持ってきた菓子折りの中身はブッセでしょうか(´・ω・`)

>>ponch様

こんにちは^^
おぉ!
まさか、この駄洒落を理解してくださる方が、いらっしゃるとは思いませんでした@@
ただ菓子折りの中身は、どうやら『ブッセ』では無くて、『トルテ』というデコレーションケーキの様です^^
レーダー伍長も久しぶりに戦友との会話を楽しめた様で、良かったです^^
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