【自作戦記】『東部戦線』第1部『ポーランド電撃戦』~ひとつの出逢い(3)~

レーダー:「やめろぉー、来るなぁぁぁー!!!!!!」

レーダーはポーランド兵に捕まっている。
マウラーも、オルブリッヒもトラウペルもである。
夜の闇の向こうに見える野戦用のテントの光の中、敵兵が何やらゴチャゴチャと話し合っているのが聞こえる。
そのテントの中から、3人程敵兵が現れた。
1人は将校、あとの2人は下士官のようである。
そして将校が、マウラーとレーダーの方に向いて言った。

将校:「貴様たちの軍の、編成と配置と作戦目標を教えてもらおう。」

マウラー:「知らん!」

マウラーが突っぱねると、ポーランド将校はマウラーの顔を平手打ちにした。

将校:「貴様はどうだ?」

すると将校は、レーダーとオルブリッヒの方に訊いてきた。

オルブリッヒ:「知らないよ!俺たちは上からの命令で動いてるんだ!そんな細かい事、知るわけ無いだろ!」

オルブリッヒがそう答えると、将校は下士官2人に命じて、トラウペルを近くまで引きずり込んできた。

将校:「言わないと、お前らもこうなるぞ。」

そういうとポーランド将校は、腰に吊るしているサーベルを抜いた。

トラウペル:「いやだ、いやだよぉーーー!!軍曹、助けてくださーーーい!!」

レーダー:「トラウペル!やめろ、やめろぉーーー!!!!!!」

トラウペル:「ぎゃぁーーー!!!!!!」

将校は、レーダー達の目の前でトラウペルの首を刎ねた。
そのトラウペルの首が、レーダーの足元まで転がってきた。
そしてその見開いたトラウペルの目が、レーダーの目と合った。

レーダー:「やめろぉーーー!!!!!!」

*************************************************


まだ薄暗い明け方の部屋の中、レーダーがベッドから飛び起きた。
時計の振子の音だけが、コツコツと響き渡っている・・・

ベルンハルデ:「あら、目が覚めましたね。」

レーダー:「夢か・・・」

ベルンハルデ「怖い夢を見ていたんですね。こんなに汗がびっしょり…」

レーダー:「ここはどこだ?」

薄暗い部屋、金属管とマットだけでできた堅いベッド・・・
見慣れない光景に、思わずベルンハルデに訊いた。

ベルンハルデ:「ここは病院ですよ。あなたは負傷して、前線から運び込まれてきたんです。」

そう言われて、レーダーは過去の事を思い出そうと試みた。

レーダー:「痛てっ!」

体をずらそうと動かすと、左肩がズキッと痛んだ。

レーダー:「そうか、俺達はあの時、敵の騎兵隊の奇襲を受けて・・・俺は撃たれたんだ。」

ベルンハルデ:「そのようですね・・・」

徐々に、あの時の戦闘の場面が思い出されてきた。

レーダー:「看護婦さん、マウラー軍曹はどうなったんですか!オルブリッヒは!トラウペルは!グリューマーは!」

いささか興奮気味に訊いてきたレーダーだったが、ベルンハルデの反応は意外にも冷静だった。

ベルンハルデ:「前線での様子は、私達にはわかりません。残念ながら・・・」

レーダー:「そうですか・・・」

ベルンハルデ:「そのような名前の負傷兵は、ここには運ばれてきてはいないようですよ。でも病院は他にもあるし、もしご戦死なさっていたら、病院にも・・・」

そう言いかけて、ベルンハルデは「ハッ!」と気まずくなった。

レーダー:「もういい、それ以上は言わんでくれ・・・」

ベルンハルデ:「ごめんなさい・・・生きていますよ、きっと・・・」

ベルンハルデは、まずい事を言ってしまったという気持ちで、話を収めるのに戸惑った。

レーダー:「今日は何日ですか?」

レーダーの方から別の話に振ってくれたので、ベルンハルデは助かったような気がした。

ベルンハルデ:「9月の6日ですわ。」

レーダー:「そうか・・・あれからもう、3日が経ったんだ・・・」

ベルンハルデ:「3日間、ずっと寝ていましたよ。」

レーダー:「そうなんだ・・・看護婦さん、名前、聞いてもいいかな?」

ベルンハルデ:「ディートリッヒ・レーダー伍長の担当を務めさせていただきます、ベルンハルデ・アルニムと申します。宜しくお願いします。」

レーダー:「そうか、ベルンハルデさんかぁ・・・いい名前だぁ。ディートリヒです、宜しくっす!」

ポーランドの片田舎のホテルを徴用した臨時の野戦病院。
夜も明けかけた病室の中で、こうして一つの出会いが生まれた。
<<      >>
今回も読んで頂きまして、ありがとうございます^^
今回は一組、まずはレーダーとベルンハルデが繋がりました^^
その他のキャラも、これから追々、絡ませていきたいと思います^^

テーマ : 自作歴史連載小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

レーダー以外は皆殺されちゃったんですかねー。
レーダーとベルンハルデはここで出会ったんですねー。
今後のふたりの関係がどのように進展していくんでしょうか。
女性的な視点なら、ここでレーダーとベルンハルデの恋バナがメインに
なってくんでしょうけど、この話の性質上レーダーとベルンハルデの
恋バナがメインになることはなさそうですよねー。
たしか前回はここから読み始めたんですよね。
自分もやっと前回読み始めた話と今回読み始めた話がつながりました。

>>ponch様

こんばんは^^
このレーダーとベルンハルデとの出会いが、この自作戦記では初の、主要人物同士の出会いになりますね^^
ヴァルター、レーダー、ベルンハルデ、フョードラの主要人物4人は、これからいろいろな形で、絡ませていこうかと考えています^^

恋バナも描ければ、更に話に深みが増すんですけどねぇ・・・
レーダーが前線、ベルンハルデが後方という距離感から、遠恋という事にも、なるかも知れませんね^^;
ちと『ハーレクイーンロマンス』でも買って、恋バナの描き方の練習も、しようかな^^;

そっか、ponchさんと出会ったのは、この回を書いてる頃からでしたか^^
今はちょっと休止中ですが、続きもまた、頑張りたいと思います^^
アクセスカウンター
オンラインカウンター
現在の閲覧者数:
プロフィール

『剣』と『弓』

Author:『剣』と『弓』
誕生日:12月13日&10月16日
血液型:どちらもB型

カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
カテゴリ
最新記事
月別アーカイブ
最新コメント
ブロとも一覧

あやっぺの活動日記

今日ものんびりと

漢娘(かんむす)

Kh-Naasaドール工房

LandM創作所

戦士のズル休み

金属乙女 純心 "pure" kigurumi female mask 女装

にゃんこ日記

だるい公務員

気まま日記

えいしんさんのブログ

回るハロッズ

張良の孫の独り言

ASDポンチのアウトサイダー日記

地球防衛軍極東基地ウルトラ警備隊東南アジア支隊

けせらせら ♥
ブログランキング
ブログ村ランキング
にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ
にほんブログ村 ゲームブログ WarThunderへ
にほんブログ村 その他趣味ブログ 模型へ
完成品ギャラリー(準備中)
オストカピタル兵器工廠
オフィシャルサイト
WarThunder

株式会社タミヤ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる