【自作戦記】『東部戦線』第1部『ポーランド電撃戦』~夏の終わりに・・・(1) ~

もう風も向きを変え始め、ヨーロッパの短い夏も終わろうとしていた。
ディートリヒ・レーダー伍長は20歳。
栗色の髪とグリーンの瞳の、ドイツ陸軍野戦砲兵の下士官である。

クララ「ねぇディートリヒ、また遊びに来てくれるよね?待ってるから・・・」

レーダー「あぁ、俺が無事に生きて帰って来れたらな。」

クララ「やだ・・・どうしてそんな事言うの?」

レーダー「ハハハッ!冗談だよ。じゃぁ、またな!」

105mm軽榴弾砲leFH18を牽引する3t牽引車sd.kfz.11の後部座席に揺られながら、レーダーは昨夜の夜遊びの事を思い出していた。
楽しい時間は本当に、本当にすぐに過ぎ去ってしまう・・・
酔った状態で昨夜22時に営舎のベッドに入り、今朝早く、突然の非常呼集で叩き起こされた。
寝不足と二日酔いで、頭がガンガンする。
昨夜の一時の夢物語を思い出してる所へ、向かい側の座席に座っている、射撃手のトラウペル一等兵が語りかけてきた。

トラウペル「レーダー伍長、何ニヤニヤしてるんですか?」

レーダー「べっ、別に何でもないよ!」

レーダーはハッと我に返り、慌ててトラウペルの疑問を打ち消した。

トラウペル「またクララさんの事ですね?女遊びも程々にしとかないと、そのうち全財産を持って行かれますよ。」

レーダー「わっ、わかってるよ!」

出逢いの機会が少ない軍隊では、恋愛の対象を酒場女に求める兵も、少なくは無い。
レーダーは顔を紅潮させながら、慌てて否定した。
すると、トラウペルは急に真剣な顔になって、話題を変えてきた。

トラウペル「ねぇレーダー伍長、まさか俺たち、本当に戦争なんかおっ始める気じゃないでしょうね・・・」

レーダー達は今、非常事態の為にベルリン郊外の駐屯地から、ドイツ東方の国境沿いへと向かっているのだ。
早朝の非常呼集も、その為になされた物だ。

フーバー「おいおい、そんなわけ無いだろ。今回もまた、ポーランドに対する脅しさ。ねっ、レーダー伍長。」

そう言って来たのは、レーダーの隣に座っている、装填手のフーバー一等兵だ。

レーダー「さぁ、そいつはどうかな?ラインラント、オーストリア、ズデーテン、チェコと、ドイツは今まで何度も危ない橋を渡って来た。今回もまた上手くいってくれればいいのだが・・・」

もちろん、領土問題や民族問題という物が、そんなに簡単に上手く行く事は無いと、レーダー自身も知っている。
しかしこれまでがギリギリの線を越えてきただけに、今度もまた上手く行くと信じたい思いもある。

ブッセ「そうだよな!確かに今までも何とかなって来たし、こんな戦闘車両だらけの俺たちを見れば、ポーランド軍もビビって音を上げるでしょ。おいトラウペル、お前ちょっと心配しすぎだぞ。心配のし過ぎは、心臓に悪いぜ!」

そう言ったのは、トラウペルの隣に座る信管手のブッセ一等兵だった。
それぞれの列の席の一番隅に座る、新米のブラント二等兵とグリューマー二等兵は、ただただ緊張した面持ちで、その会話を聞いているだけだった。
正直なところ、今回はどうなるかわからない。
しかし、皆が戦争の予感を肌で感じているのと同時に、戦争なんて起きっこないなどと言う根拠の無い楽観論で、自分達を慰めあっていた。
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皆様、初めまして^^
今日から自作戦記『東部戦線』が、始まりました^^
何だか文才も無い自分が、とんでもない事を始めちゃったなって感じですが、これから宜しく御願い致します^^
[ 2009/09/01 18:00 ] 自作戦記:東部戦線第1部 | TB(-) | CM(2)

今回改めて第一話から読み直しています。
レーダー伍長死亡フラグ立っちゃってます?
自分の思い過ごしならいいんですけど。
[ 2017/04/03 13:10 ] [ 編集 ]

>>ponch様

こんにちは^^
読み直して頂いて、ありがとうございます^^
レーダー伍長は、今の所死亡予定は、無いですね^^
一応死亡予定は・・・あの方と、あの方ですw
まぁ予定はあくまで未定であって、決定では無いですけどね^^;
もしかして、最後まで生き残ってるかも知れないし・・・^^;
[ 2017/04/03 13:28 ] [ 編集 ]

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