【自作戦記】『東部戦線』第1部『ポーランド電撃戦』~ブレスト・リトフスク要塞(1)~

9月13日夜、ドイツ軍の捜索隊が、早くもブレスト・リトフスク要塞にたどりついた。
それに続いて9月14日、ヴァルター達戦車隊は、いよいよポーランド軍の要塞、ブレスト・リトフスク要塞へと迫った。
砲兵隊が要塞郊外の市街地を砲撃し、市街地は煙に包まれていた。

小隊長:「最終弾落下10秒前!」

シュペアリンクのヘッドセットに、小隊長からの秒読みが伝えられる。

小隊長:「前進!」

砲兵隊の攻撃準備射撃が終わると、小隊長の上げた右腕が、振り降ろされた。

シュペアリンク:「前進!」

ヴァルターはミッションを入れ、戦車は前進を始めた。

小隊長:「各車、油断するなよ・・・まだ対戦車砲が生き残ってるかもしれないからな。」

シュペアリンク:「了解!」

突然、閃光が見えた。
敵の発火光だ!
市街地まで約500mまで近づいた所で、敵の対戦車砲が発砲してきた。
弾が他の中隊の車両に当たり、戦車1台がストップした。

シュペアリンク:「1時方向、対戦車砲、距離500、榴弾!」

敵の対戦車砲は集中砲火を浴び、沈黙した。
戦車が次々と、土嚢でできたバリケードを乗り越え、市街地へと入って行く。

シュペアリンク:「ヴァルター、あのバリケードを乗り越えられるか?」

ヴァルター:「大丈夫です!」

シュペアリンク:「よし!」

戦車隊は市街地へと入った。
しかし、街の中は行動が制限される為、陣形が展開できない・・・
戦車隊は、縦隊で道路を突き進む。

シュペアリンク:「まずいな・・・」

街角に差し掛かった所で突如、先頭を走る戦車が、エンジンから火を噴いた!
敵の対戦車砲だ!

シュペアリンク:「まずい、対戦車砲だ!ヴァルター、バックだ!」

しかし後方でも戦車が撃破され、前後の道を塞がれた戦車隊は、横の道を行くしか無かった。
まるで迷路の様な市街地を、戦車隊は迷いながら前進した。
突然、開けた場所に出た。
どうやら、駅前の広場らしい・・・
すると、いきなり前方の駅の方から、無数の対戦車砲が発砲してきた。

シュペアリンク:「しまった!装甲列車だ!」

戦車隊も負けずに応戦するが、次々とこちらの戦車が撃破されていく・・・

中隊長:「退却だ、退却!」

中隊長が、無線でそう叫んできた。

小隊長:「全車、退却だ!」

シュペアリンク:「了解!ヴァルター、退却だ!どんな道でもいい。とにかく街の外に出ろ!」

あちこちで撃破された戦車、積み上げられた乗用車などが、道を塞いでいる。
道路をジグザグと進みながら、ヴァルターの戦車は、ようやく街を抜け出した。
ヴァルター達の小隊は、貴重な338(t)軽戦車2両が撃破され、生き残ったのは小隊長車とシュペアリンク車だけだった・・・
中隊だと、被害は6両以上を数える・・・
今回の敗因は、歩兵の援護無しに戦車隊だけで街を攻略しようとした事にあった。
戦車も決して万能では無い。
元々戦車は、市街地での戦闘には向かないのだ・・・
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[ 2009/12/01 12:00 ] 自作戦記:東部戦線第1部 | TB(-) | CM(2)

前回とは打って変わって緊迫の展開になりましたね。
やっぱり市街戦だと高速で走れず小回りも利かない戦車は
どうしても不利になっちゃいますよねー。
ヴァルターたちもほうの体で逃走したという感じですが、
ヴァルターたちは生き残れるのでしょうか。
今後の展開が気になります。
[ 2017/06/05 01:50 ] [ 編集 ]

>>ponch様

こんにちは^^
今回の描写は、ある書籍(学研『歴史群像』だったかな?)に書いてあった、「戦車は市街戦には不利」という記述に基づいて、描いてみました^^
それまでは自分も、『戦車無敵』なイメージを思い描いていたのですが、よく考えてみると確かに、街路を塞がれると戦車は開いた道にしか進めなくなるし、道順に進めば確実に『対戦車砲』が待っている訳で、なるほどなって思いました^^;

装甲列車は正直、未知の分野なので、どれぐらいの強さなのかはわかりませんが、学研M文庫で「装甲列車にかなり苦しめられた」旨の記述が書いてあったので、これを参考にしてみました^^
そういった意味では、市街戦は戦車よりも寧ろ、駆逐戦車や突撃砲、対戦車自走砲の方が、向いてるのかも知れませんね^^
[ 2017/06/06 16:12 ] [ 編集 ]

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