【自作戦記】『東部戦線』第1部『ポーランド電撃戦』~南進(1)~

9月9日。
ダンツィヒ回廊を突破し、東プロイセンに合流したヴァルター達は、進路一転、今度はワルシャワの東にあるブレスト・リトフスク要塞を目指して南進していた。
ナレフ川へと続く道路では、ドイツ軍の自動車や戦車が大渋滞を起こしていた。

ルドルファー:「暇だなぁ・・・いつになったら橋が架かるんですかねぇ・・・」

ヴァルター:「まったくだ。工兵の連中、真面目に仕事してるんか?」

この大渋滞の中、ヴァルターと、装填手のルドルファー一等兵がぼやく。
二人は渋滞のイライラを、路肩でトランプをして気を紛らわせていた。

ルドルファー:「まったく、こんな事してたら陽が暮れっちまいますよ。とりあえずツーペア。」

ヴァルター:「スリーカードだ。」

ルドルファー:「・・・ったく・・・あーあー、まったくツイてねぇ!」

こうして敵機を気にせずに、道路脇でポーカーなどに興じていられるのも、制空権を完全にドイツ空軍が握っているからである。

ヴァルター:「ルドルファー、お前の彼女、元気か?」

ヴァルターがおもむろに、ルドルファーの彼女の話を持ち出した。

ルドルファー:「はぁ?彼女?そんなもん、とっくの昔に別れちまいましたよ。」

ルドルファーはまるで、女を手玉に取るかの様に気取って、そう答えた。
そこへ、戦車長のシュペアリンク軍曹が、話に割って入る。

シュペアリンク:「ルドルファーの彼女って、どんな女だったんだ?」

ヴァルター:「えぇ、髪はブロンド、目はグリーン・・・」

ヴァルターが茶化すように、ふざけて説明する。

ルドルファー:「ブルーですよ!ヴァルター伍長と同じです!」

ヴァルター:「そうだっけか?とにかく、すっごい美人ですよ!」

シュペアリンク:「へぇ・・・一度、拝んでみたいものだな。」

ヴァルター:「見たい?見たいですか?そーれー!」

そう言ってヴァルターは、隠し持っていた写真の束をばら撒いた。

ルドルファー:「あっ!ヴァルター伍長、いつの間に写真かっぱらったんですか!」

慌てるルドルファーに、シュペアリンクが茶化す様に笑った。

シュペアリンク:「ほぉ、ルドルファーにしてはいい彼女じゃないか。棄てるのは勿体なかったな。」

ルドルファー:「あっ、シュペアリンク軍曹まで、やめてくださいよ!」

シュペアリンク:「別れたって言ってる割には、今でもこうして写真持ってるんだな?」

シュペアリンクが茶化す様に言うと、ルドルファーが拗ねた様に言い放った。

ルドルファー:「放っといてください!」

そう言ってルドルファーは、路肩に散らばった写真を慌てて拾い集めた。
その滑稽な様を見てヴァルター達が笑っていると、戦車に残っていた無線手のヴェヒスラー一等兵が、こちらに向かって叫んできた。

ヴェヒスラー:「シュペアリンク軍曹、橋が開通したそうです!」

シュペアリンク:「そうか!よし、ヴァルター、エンジン始動だ!」

ヴァルター:「了解!」

こうしてヴァルター達戦車隊は、再び前進を始めた。

pz38t_a.jpg
38(t)戦車A型
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[ 2009/11/17 18:00 ] 自作戦記:東部戦線第1部 | TB(-) | CM(2)

ルドルファー、上官の前で元カノの写真ばらまかれちゃったんですかー。
災難でしたねー。
それにしても上官の前で部下の元カノの写真ばらまくなんてヴァルター伍長も
人が悪いですねー(^_^;)
軍隊とか男だらけだと女の目を気にしないで済むので、こういった悪ふざけが
多くなるんですかねー。
自分の創作神話は女だらけで軟弱な内容なので、こういった男臭い骨太な話も
描けるようになりたいなと思います。
[ 2017/05/23 09:32 ] [ 編集 ]

>>ponch様

こんばんは^^
トラウペルがレーダーのカモになってる様に、ルドルファーはヴァルターの、いいカモにされてますねw
まぁこれも、親しい間柄だからこそできるのであって、悪ふざけも軍隊の華ですね^^
まぁこの中に女性が入ると、悪ふざけも度が過ぎて『セクハラ』で訴えられそうですが・・・^^;
自分の自作戦記、「骨太の作品」と言っていただきまして、ありがとうございます^^
ponchさんの創作神話は、冒頭の徐々に女神達が誕生するシーンといい、真珠のシーンといい、自分の自作戦記には無い、独特の美を感じます^^
[ 2017/05/23 18:31 ] [ 編集 ]

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