【自作戦記】『東部戦線』第1部『ポーランド電撃戦』~それぞれの道(2)~

ブレスト市内のクラブでは、機長のマヤコフスキー曹長が、戦車小隊長と共に酒を飲んでいた。
そこへ、フョードラがやって来た。

マヤコフスキー:「おぅ、フョードラ、こっちだこっちだ!」

マヤコフスキーが手を振って、フョードラを呼んだ。

マヤコフスキー:「こちらは私の部下で、後部機銃手のシュパーギナ伍長です。こちらは戦車隊の、アファナシエワ少尉。」

オリガ:「よろしく。」

フョードラ:「よろしくお願いします。」

マヤコフスキーが紹介を済ませると、二人はお互いに挨拶を交わした。。

マヤコフスキー:「フョードラ、知っての通り、俺たちはこれから北に向かう。」

フョードラ:「今度の相手はフィンランドだそうですね。」

マヤコフスキー:「そうだ。」

フョードラ:「でも、今のこの季節にフィンランドだなんて・・・」

マヤコフスキー:「俺もそれを心配している。」

マヤコフスキーが溜息混じりに応えた。

マヤコフスキー:「これからの季節、フィンランドでの天候がどうなるか・・・」

フョードラ:「かなり、無理がありますね。」

フョードラが頷いて応えた。

オリガ:「戦車隊としても、上空からの援護が無いのは、かなり心細いですね。」

オリガも溜息交じりに、そう話す。

オリガ:「とにかく皆さん。今回の戦いは、厳しい物になるかも知れません。やられないよう、細心の注意を払って行きましょう!」

フョードラ:「わかりました。」

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それから3日後。
オリガ達の戦車は貨車に積まれ、フョードラ達ソヴィエト軍機は、北のフィンランド国境沿いの飛行場に向けて、ブレストから飛び立って行った・・・
[ 2017/04/21 18:00 ] 自作戦記:東部戦線第1部 | TB(-) | CM(6)

【自作戦記】『東部戦線』第1部『ポーランド電撃戦』~それぞれの道(1)~

シュペアリンク:「気を付け!」

ここはヴァルターの中隊の中隊長室。
シュペアリンクとヴァルターの2人は、中隊長室に呼ばれていた。

シュペアリンク:「敬礼!」

ヴァルター達は、中隊長に敬礼をした。

シュペアリンク:「直れ!」

戦車中隊長:「休め!」

中隊長がそう号令をかけると、ヴァルター達は『休め』の姿勢をとった。

中隊長:「ハインリヒ・シュペアリンク軍曹、ヒューゴ・ヴァルター伍長の両名に、転属を命ずる。シュペアリンク軍曹は、西の部隊へ転属だな。ポーランドとの戦いが終わった今、今度はフランスとの戦いになると言われている。今後のフランス軍の動向に、十分注意してくれ。以上だ。」

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その夜、シュペアリンクとヴァルターは、ブレストの街のクラブで最後の杯を交わした。

ヴァルター:「軍曹と酒を飲むのも、今日で最後ですね。」

シュペアリンク:「あぁ。お前とは長い付き合いだったが、思えばいろいろあったなぁ・・・」

ヴァルター:「えぇ・・・」

シュペアリンク:「覚えてるか?お前がまだ一等兵だった頃、お前、酔った勢いでユダヤ女を襲ってたSA(突撃隊)隊員に後から蹴り食らわしたのを・・・」

ヴァルター:「えぇ、覚えてますよ。あの時は営内班長だった軍曹にこっ酷く叱られて、外出禁止になったなぁ・・・」

シュペアリンク:「お前ってホント、ワルだったよなぁ・・・」

ヴァルター:「俺は、あの連中は気に食わなかった。それだけの事です。」

シュペアリンク:「なぁヴァルター、ブレスト・リトフスク要塞が陥落してソヴィエト兵と飲みまくってた時、お前、一人で外に出て行っただろ?あの時、ソヴィエト兵の女を口説いて俺たちの戦車を見せてやったって噂、あれは本当か?」

シュペアリンクが小声で、そうヴァルターに尋ねた。

ヴァルター:「さぁ、知りませんね・・・」

シュペアリンク:「本当かぁ?ワルのお前なら、やりそうだな。」

ヴァルター:「知りませんよ。」

シュペアリンク:「どうだか・・・」

ヴァルター:「・・・いやいや、最後の最後に、軍曹に嘘は言えませんね。噂は本当です。」

ヴァルターがようやく自白すると、シュペアリンクは驚いた顔で、「ヒューッ!」と口笛を吹いた。

シュペアリンク:「マジか!なぁなぁ、そのロシア女、どうだった?美人だったか?名前は?」

ヴァルター:「フョードラですよ。フョードラ・シュパーギナ航空兵伍長。黒髪に茶色い瞳で、どこか東洋的な感じのする美人でした。」

シュペアリンク:「そっかぁ、美人かぁ・・・。どう思う?これから先、ドイツはソヴィエトと戦争すると思うか?」

突然、シュペアリンクが真剣な表情になって尋ねた。

ヴァルター:「ソヴィエトとは条約を結んでるんですよ。戦争なんてするわけが無い。」

シュペアリンク:「そうかなぁ?だがな、ヴァルター、総統閣下は共産主義が大っ嫌いなんだ。」

もちろん、ヴァルターもそれは知っていた。
だが、フョードラとは戦いたくないという思いが、ヴァルターにはあった。

ヴァルター:「するわけが無い。それより問題はイギリス、フランスですよ。英仏の連合軍が国境沿いに集結してるって噂もあるし、いつドイツに攻め込んで来てもおかしくない状態だ。」

シュペアリンク:「あぁ、そうだな・・・。でも、フランス軍は俺に任せとけ!」

ヴァルター:「シュペアリンク軍曹・・・死なないでください!どうか御無事で・・・」

シュペアリンク:「あぁ!」

そう言って二人は「カチン」とジョッキを合わせると、ビールを一気に飲み干した。
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[ 2017/04/18 18:00 ] 自作戦記:東部戦線第1部 | TB(-) | CM(4)

【自作戦記】『東部戦線』第1部『ポーランド電撃戦』~ワルシャワの降伏~

一方、ブレスト・リトフスク要塞の西にあるポーランドの首都ワルシャワでは、ワルシャワ守備隊が頑強な抵抗を続けていた。
9月16日からドイツ空軍はワルシャワ守備隊に対し、爆撃機で降伏を促すビラを投下し続けてきたが、ワルシャワ守備隊は一向に屈せず、徹底抗戦の構えを見せた。
9月21日、一時停戦してワルシャワ市内から外国人約1,200人を退去させると、その4日後の9月25日午前8時、ついにドイツ軍によるワルシャワへの総攻撃が始まった。
およそ1,000門の火砲と400機の爆撃機によって、ワルシャワに砲爆撃が加えられた。

ゴルニック「一体これまで、我々はどれだけの民間人を殺してきたのかな?」

9月26日夕刻、ワルシャワへ偵察任務に向かうBf110駆逐機の機上、ゴルニックは思った。

ハルターマン「小隊長、間もなくワルシャワ上空に達します。」

ゴルニック「そうだな。なぁヨハン、軍人になって後悔した事はあるか?」

ハルターマン「ありますよ。」

ハルターマンは答えた。

ハルターマン「スペイン内戦の時ですけどね。ゲルニカの街を爆撃した時、そう思いました。」

ハルターマンがその時の状況を思い出しながら、淡々と話す。

ハルターマン「爆撃隊の爆弾が教会に落ちましてね。そこから蟻の様に女子供老人が湧き出てきました。そこを命令とは言え、俺達が機銃掃射するんです。あの時は、本気で軍人を辞めたくなりましたね。」

ゴルニック「そうか。今はどうだ?」

ハルターマン「今回のポーランドとの戦いで、もう慣れましたよ。軍人としては必要な事かも知れませんが、人間としては終わってますね。少尉殿のようなお子様でも、そのうち慣れますよ。」

そう言いながら、ハルターマンは双眼鏡を手に、ワルシャワの街を視察した。

ハルターマン「もう敵は居ません。」

ゴルニック「そうか・・・基地へ帰るぞ、ヨハン!」

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9月27日、ポーランドの国民的音楽家、ショパンのピアノ曲がラジオから流れると、ワルシャワ守備隊は遂にドイツ軍への降伏を発表した。
ルーマニアに逃れていたポーランド政府はイギリスへと亡命、ドイツとの徹底抗戦を宣言した。
開戦後わずか4週間で、ポーランドの国土はドイツ領とソヴィエト領とに分断され、ここにポーランド戦役は終結した。
この後、ポーランドは『ナチスによるユダヤ人虐殺の地』として、殺戮の嵐が吹き荒れる事となる・・・
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[ 2017/04/14 18:00 ] 自作戦記:東部戦線第1部 | TB(-) | CM(2)

【自作戦記】『東部戦線』第1部『ポーランド電撃戦』~戦友との再会~

ブレストの街で、ドイツ軍とソヴィエト軍の将兵達が、戦勝パーティーで盛大に盛り上がっていた、その頃・・・
レーダーは野戦病院のベッドに横たわりながら、今日も一日の終わりを感じていた。
傷ももうすっかり癒えて、一人で歩けるようにもなった。
・・・とは言っても、散歩は病院の庭先までだが。
今日も気晴らしに、これから夕暮れの庭先に出ようか、と考えていたところで、ベルンハルデがにこやかに病室に入って来た。

ベルンハルデ:「レーダー伍長、お客さんですよ。」

ベルンハルデがそうにこやかに告げると、その後ろから男たちが騒ぎながら病室に入って来た。

トラウペル:「レーダー伍長~、お久しぶり~っす!」

レーダー:「オルブリッヒ!トラウペル!」

マウラー:「よう、レーダー!大人しくしてたか?」

レーダー:「マウラー軍曹!よく来てくれましたね!」

戦友達の突然のお見舞いに、レーダーは心から喜んだ。

オルブリッヒ:「傷は、もういいのか?」

レーダー:「もうピンピンさぁ!ほれ。」

そう言うとレーダーは、ベッドの上で体操をして見せた。

オルブリッヒ:「レーダー、今日は何の日か、わかるか?」

レーダー:「あぁ、さっきラジオで耳にしたよ。ブレストの街で、戦勝記念の観閲式が行われたんだろ?」

トラウペル:「まぁ、それもありますけどね。」

レーダー:「?」

ブッセ:「ジャジャ~ン!今日は9月22日、レーダー伍長のお誕生日ですよ。21歳の誕生日、おめでとうございます!さぁ、ケーキをお切りください。」

そう言うと、ブッセは持ってきた菓子折りを開いた。

レーダー:「おぉ、忘れてた!ありがとう!それにしてもマウラー軍曹、皆、よく無事でしたね。」

マウラー:「あれから我が軍の装甲車が救援に駆けつけて来てくれてな。機関銃で騎兵どもを追っ払ってくれたんだよ。」

レーダー:「そうだったんだ・・・」

マウラー、オルブリッヒ、トラウペル、ブッセ、ブラント・・・あの時の面々が、一同に顔を揃えている。
戦死したフーバーを除き・・・ん?
あと1人足りない?

レーダー:「あれ?グリューマーは?」

レーダーが聞くと、マウラーは眼を瞑り首を横に振った。

マウラー:「やられたよ。タコつぼ(歩哨用の掩体壕)からグリューマーの遺体が見つかった。あの時ポーランド騎兵にやられたんだ・・・」

レーダー:「そうだったのか・・・」

マウラー:「ついウトウトとして、眠気には勝てなかったんだろう・・・そこを敵兵にやられたんだ。」

レーダーはグリューマーの事を思うと、いたたまれなくなった。
まだ軍隊に入ったばかりだった、二等兵のグリューマー。
休憩に入ると、ブラントと二人でコーヒーを用意してくれた、優しかったグリューマー・・・
きっとポーランドと戦争になる事も、人一倍イヤだったに違いない・・・
そんなグリューマーが真っ先にやられてしまった事が、とても気の毒でならなかった・・・
彼だけは生かして帰してあげたかったのに・・・
しばらく沈黙が続くと、再びベルンハルデが入って来た。

ベルンハルデ:「あの・・・士官の方がお見えになってますが・・・」

すると、とっさにマウラーが号令をかけた。

マウラー:「気を付け!」

砲兵中隊長:「いやいや、楽にしといて構わんよ。」

そう言いながら、レーダーの中隊の中隊長が病室に入って来た。

マウラー:「休め!」

砲兵中隊長:「レーダー伍長、調子はどうかな?」

レーダー:「お陰様で、もうすっかり良くなりました。」

砲兵中隊長:「そうか・・・それはよかった。実は今日は、君に話があって来たのだよ。」

レーダー:「・・・と、言いますと?」

砲兵中隊長:「主治医から、退院の日取りも聞いたよ。退院早々申し訳ないが、君を他の部隊に転出する事に決めたよ。」

レーダー:「転出ですか・・・」

砲兵中隊長:「まだ実験段階なんだがね。今度新しく開発された新兵器の部隊で、『突撃砲』・・・という兵器だよ。」

レーダー:「突撃砲・・・ですか?まさか、あの重い火砲を押して突撃したりとかするんじゃないでしょうね?なんだか、めちゃくちゃしんどそうだなぁ・・・」

砲兵中隊長:「ハハハッ、違う違う。突撃砲とは新種の自走砲だよ。この度我が軍が推し進めて来た新しい戦術、電撃戦。要所要所を急降下爆撃機で叩き、弱体化した所を戦車で突破して、敵陣の奥深くまで侵攻する作戦だが、戦車部隊が独立した行動を取るようになってしまった為に、今度は歩兵部隊の支援火力が無くなってしまった。その歩兵部隊の火力支援を専門に新しく開発されたのが、我ら砲兵科の突撃砲、というわけだ。」

レーダー:「何だかよくわかりませんが・・・転出の件、了解しました。」

砲兵中隊長:「そうか。君には退院後、ユーターボクにある突撃砲学校に入校してもらう。とにかく君は、この新兵器のパイオニアとなるわけだ。頑張ってくれたまえ。」

レーダー:「はい!」

マウラー:「気を付け!」

マウラーが号令をかけると、中隊長は病室から出て行った。

マウラー:「休め!」

レーダー:「やれやれ・・・上手い事厄介払いされましたね・・・」

中隊長が去った所を見定めると、何やらぼやき始めた。

マウラー:「何を言う、栄転じゃないか。」

ブッセ:「そうですよ!新兵器を任されるなんて、凄いですよ!」

レーダー:「そうかなぁ・・・」

そうは言われるものの、まだ何か釈然としないレーダーであった。
しかし、この新兵器『突撃砲』との出会いこそが、後にレーダーの運命を大きく変える事となる。
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[ 2017/04/11 18:00 ] 自作戦記:東部戦線第1部 | TB(-) | CM(2)

【自作戦記】『東部戦線』第1部『ポーランド電撃戦』~もう一つの出逢い~

独ソ間の協定により定められた勢力境界線に、ソヴィエト軍が次々と辿り着き始めた。
イギリス、フランス両国に見捨てられ、ブレスト・リトフスク要塞の将兵は遂に降伏。
9月22日、ブレストの街では、ドイツ軍のグデーリアン上級大将、ソヴィエト軍のクリヴォシェイン少将を観閲官として、戦勝祝賀パレードが行われた。
独ソ間の協定により、ブレスト・リトフスク要塞はドイツ軍からソヴィエト軍に引き渡された。

その後、あちこちでドイツ兵とソヴィエト兵の親睦会の様な物が行われ、兵士たちは酒を食らった。
兵士達は酒を飲みながら、ソヴィエト兵はカチューシャを踊り、ドイツ兵が手拍子で音頭を取る。
言葉が通じないながらも、両国の兵士達は仲良くやっていた。

ヴァルター:「ちっと、夕暮れの風に当たってくるわ。」

ドイツ兵:「おい、もう酔っ払っちまったのか?弱ぇなぁ・・・」

実はヴァルターは、別に酔っ払ったわけではないのだが、あまりこういった飲み会みたいな物が好きではないのだ。
ヴァルターは、一人河原へと向かった。
思えばポーランドに侵攻してからの二十日間、よく生き延びてこられたものだ。
ヴァルターは神に感謝した。
イギリス、フランスが戦線布告をしてきた以上、おそらく戦争は、これで終わりじゃないだろう。
でもこれで、少なくとも一区切りは付いたと、歩きながらそう思った。
河に来てみると、濃紺のソヴィエト空軍の軍服を着た女性が一人、ポツンと河原に座っていた。
どうせ言葉は通じないし、バツが悪くなったヴァルターは、仕方なく引き返そうとした。

フョードラ:「誰?」

ソヴィエト兵の女が人の気配に気づき、後ろを振り向くとロシア語で言った。

ヴァルター:「あ・・・いや・・・すみません・・・」

ヴァルターは言葉が通じないのも構わず、思わずこう言ってしまった。

フョードラ:「こんばんは。」

フョードラが微笑みながら、今度は流暢なドイツ語で挨拶をすると、ヴァルターは驚いて聞き返した。

ヴァルター:「驚いたな・・・どこでドイツ語を?」

フョードラ:「父がベルリン駐在の特派員だったので、子供の頃、ベルリンに10年程住んでいました。」

ヴァルター:「そうなんだ・・・隣・・・座ってもいいかな?」

ヴァルターは照れながら、フョードラに聞いた。

フョードラ:「どうぞ。」

ヴァルター:「ありがとう。」

そう言ってヴァルターは、フョードラの隣に座った。

ヴァルター:「それにしても、なぜここに?」

フョードラ:「酔っ払った男って、好きじゃないんです。下品だし、すぐに体触ってくるし・・・」

ヴァルター:「俺も同じだな。男って酔っ払うとすぐに説教始まるし。あまり出来のいい方じゃないんでね。」

フョードラ:「あなたも男でしょ。」

ヴァルター:「そりゃそうだけどさ・・・」

ヴァルターが困り顔でそう言うと、フョードラは笑った。

ヴァルター:「兵科は何?通信兵?それとも衛生兵?」

フョードラ:「航空兵よ。」

そう言ってフョードラは、階級章に付いた翼とプロペラが十字に重なったバッジを見せると、ヴァルターは驚いた。

ヴァルター:「航空兵?女性で?」

フョードラ:「ソヴィエトでは、女性も前線の兵なんです。」

ヴァルター:「これは驚いたな!航空兵かぁ・・・俺は装甲兵。そうだ!俺の乗ってる戦車、見てみない?」

フョードラ:「そんな、叱られるわよ!」

ヴァルター:「大丈夫だって。気にしない気にしない。」

いたずらっ子の様な目をしてそう言うと、ヴァルターは立ち上がった。

フョードラ:「ほんと、知らないわよ。」

こうして、ヴァルターはフョードラを連れて、戦車の置いてあるガレージへとやってきた。

ヴァルター:「これが俺の乗ってる戦車、38(t)戦車さ!」

フョードラ:「これが、ドイツ軍の戦車・・・」

ヴァルター:「元々は、チェコ製の戦車だったんだけどね。」

フョードラ:「ふ~ん・・・」

フョードラは、興味深げに38(t)戦車を観察した。

・・・と、その時!

警備兵:「誰だ!そこにいるのは!」

ヴァルター:「やべっ、警備兵だ、逃げろ!」

そう言ってフョードラの手を取り、二人は一目散に逃げ出した。
そして息も絶え絶えに元の河原まで戻ってくると、二人は思いっきり笑った。

フョードラ:「何だか息が上がった・・・」

ヴァルター:「ハハハハハッ!」

二人はいつまでも、笑い続けた。

ヴァルター:「いつかまた、会えるといいな・・・」

フョードラ:「そうだね、またいつか、会えるといいね。」

そう言うと、二人はお互い、固い握手を交わした。
二人の言葉通り、二人は数年後、再開を果たす事となる。
ただし、今度はお互い敵同士として・・・
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[ 2009/12/29 18:00 ] 自作戦記:東部戦線第1部 | TB(-) | CM(4)